2020/9/8
カテゴリー:カレンダーの豆知識
「二十四節気って何?」
「ややこしそうだから簡単に説明してほしい」
二十四節気が暦に関係することだと何となくご存知でも、詳しい意味をご存知ない方は多いでしょう。
実は、私も二十四節気について知ったのは最近です(笑)。
最初はネットで調べてみたのですがイマイチ内容を理解できず、自分なりに調べてやっと理解できました。
そこで、先日の私と同じような悩みをお持ちのあなたのために、この記事では次の3点を解説します。
予備知識なしでお読みになっても理解していただけるよう、「分かりやすく」「簡単に」記事をまとめました。
あなたが二十四節気を理解するために、この記事がお役に立てば幸いです。
二十四節気(にじゅうしせつき)とは、季節の変化を示す指標です。
春分や秋分、夏至、冬至といった二十四の節気(約15日ごとの区分)をまとめて「二十四節気」と呼びます。
まずは二十四節気の歴史や成り立ちを見ていきましょう。
二十四節気は、古代中国(BC.770~BC.221の春秋戦国時代)で作られたとされる暦です。
季節の移り変わりを表す指標として、農業で重宝されました。
古代中国では太陰暦(月の満ち欠けを基準にした暦)が使われていましたが、実際の季節との間にズレが生じる問題があったと言われます。
そこで、季節の変化がより正確かつ細かく把握できる暦として、「二十四節気」が使われるようになりました。
中国の二十四節気は、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。
二十四節気は「黄道」と呼ばれる太陽の通り道を24等分したもので、次のように成り立っています。
■二至二分
黄道を夏至と冬至(二至)で2等分し、さらに春分と秋分(二分)で4等分
■八節
4等分の中間に立春・立夏・立秋・立冬(四立)を加えて8等分
■二十四節気
八節(45日)を3等分
※節気ごとの期間は約15日
上記した区分のほか、二十四節気をさらに3等分(1つの節気が5日間)した「七十二候」もあります。
農作業において季節をより正確に知る必要があったため、節気を細かく分割して季節の変化を把握したそうです。
二十四節気は日本でも使われる季節の指標ですが、実際の季節感とズレがあります。
例えば、2月頃にテレビで天気予報を見ていて「暦の上では今日から春です」と耳にした経験はありませんか?
「こんなに寒いのに春なの?」とビックリしたことがあるのは、私だけではないはずです(笑)。
特に、立春(2月上旬)、立夏(5月上旬)、立秋(8月上旬)、立冬(11月上旬)に関しては、実際の季節と1~2ヶ月のズレを感じる方が多くいらっしゃいます。
その理由は、二十四節気が紀元前の中国(黄河流域)で生まれた指標だからでしょう。
当時の中国と今の日本の平均気温を比較すると、暑さや寒さのピークに関して中国の方が1~2ヶ月早いそうです。
そのため、二十四節気と実際の季節感にズレが生じると言われます。
ここまでは、二十四節気の概要をご紹介しました。
続いては、各節期の時期や意味について解説します。
二十四節気の各節期は約15日間ですが、毎年同じ期間というわけではありません。
年によって1日前後の差があるので、2024年の二十四節気を確認したい方は、国立天文台のページをご覧ください。
では、各節気の時期と意味を見ていきましょう。
春の節気は以下の6つです。
■立春(りっしゅん):2月4日頃
旧暦では正月が立春に近かったため、立春が春の始まりかつ1年の始まりでした。
2月上旬は今の季節だとまだまだ冬ですが、立春を過ぎてから初めての強い南風を「春一番」と呼びます。
■雨水(うすい):2月19日頃
雨水は「雪が雨に変わり積もった雪が解け始める頃」という意味です。
この時期はまだまだ雪が残っていますし、降雪も珍しくありませんが、春の足音が聞こえ始める時期とされます。
■啓蟄(けいちつ):3月5日頃
啓には「ひらく」という意味があり、蟄には「地中で眠る虫」という意味があります。
つまり、啓蟄は冬ごもりしていた虫が穴を開けて地中から顔を出す時期(そろそろ暖かくなる時期)とされています。
■春分(しゅんぶん):3月21日頃
春分になると太陽が真東から登って真西に沈むため、昼と夜の長さがほぼ同じになると言われます。
「春分の日」は国民の祝日になっており、お墓参りをする習慣もあります。
■清明(せいめい):4月5日頃
清明は清浄明潔を略した呼び名で、万物が清らかで生き生きした状態のことを言います。
花が咲いて春らしくなる頃で、お花見が多くなる季節です。
■穀雨(こくう):4月20日頃
穀雨は「春の雨で穀物が潤う」という意味です。
この時期に種をまくと雨に恵まれることから、作物がよく成長すると言われます。
夏の節気は以下の6つです。
■立夏(りっか):5月5日頃
暦上は立夏から大暑までが夏とされます。
日本では晴天が続くさわやかな季節で、ゴールデンウィークの頃に当たります。
■小満(しょうまん):5月21日頃
小満は「草木がのびて天地が満ち始める」という意味です。
田植えの準備が始まる時期で、西日本では梅雨入りする地域もあります。
■芒種(ぼうしゅ):6月6日頃
芒種は、「稲をはじめるとする穀物の種をまく」という意味ですが、現代では種まきはもう少し早い時期に行います。
この時期には、西日本で多くの地域が梅雨入りします。
■夏至(げし):6月21日頃
夏至になると、北半球では1年で最も昼の時間が長い時期を迎えます。
ただし、日本では梅雨の季節なので、日の長さをあまり実感できません。
■小暑(しょうしょ):7月7日頃
小暑には、「少しずつ暑くなっていく」という意味があります。
梅雨明けも近くなり、湿気の中に夏の気配を感じる時期です。
■大暑(たいしょ):7月23日頃
大暑は夏の暑さが本格化するとされる時期ですが、暑さのピークはもう少し後です。
学校が夏休みに入る時期でもあり、土用の丑でウナギを食べるのもこの時期です。
秋の節気は以下の6つです。
■立秋(りっしゅう):8月8日頃
暦上は立秋からが秋ですが、実際はまだまだ暑い季節です。
夏の挨拶は立秋まで「暑中見舞い」ですが、立秋を過ぎると「残暑見舞い」に変わります。
■処暑(しょしょ):8月23日頃
処暑は暑さがおさまる頃とされ、日によっては朝晩に涼しさを感じる時期です。
日本では夏休みが終わり、台風のシーズンに突入します。
■白露(はくろ):9月8日頃
白露は草花につく朝露のことを指し、この時期になると秋を感じられるようになります。
空は高く秋雲を見かけるようになりますが、本格的な台風のシーズンでもあります。
■秋分(しゅうぶん):9月23日頃
秋分を迎えると昼と夜の長さが同じになり、秋分を境に日が短くなります。
朝晩は肌寒さを感じるなど、本格的に秋の気配が漂う時期です。
「秋分の日」は国民の祝日に指定されており、お墓参りをする習慣もあります。
■寒露(かんろ):10月8日頃
寒露は「草花に冷たい露がおりる」という意味で、秋が深まる季節です。
農作物の収穫が最盛期を迎える時期でもあります。
■霜降(そうこう):10月24日頃
霜降には「朝早くに霜がおりる」という意味があり、紅葉が始まる頃です。
いわゆる晩秋に当たり、北日本や山間部では霜で草木が白くなる光景も見られます。
冬の節気は以下の6つです。
■立冬(りっとう):11月7日頃
立冬を迎えると、暦の上では冬が始まります。
日は短くなって木枯らしが吹き、北国や山間部から初雪の便りも届く季節です。
■小雪(しょうせつ):11月22日頃
小雪は「冬だが雪は多くない」という意味で、徐々に冷え込みが厳しくなります。
落葉が目立ち平地でも初雪を観測するなど、冬本番を迎える頃です。
■大雪(たいせつ):12月7日頃
大雪は本格的に雪が降り積もり始める時期です。
朝には川が氷っていたり、山に雪が積もったりと、寒さが厳しさを増します。
また、年末が近づき慌ただしくなる時期でもあります。
■冬至(とうじ):12月21日頃
冬至は1年で最も昼が短い日とされます。
逆に言うと冬至を境に日が長くなるため、古くは冬至を1年の始まりと考えていました。
冬至南瓜、冬至がゆ、ゆず湯で無病息災を願う風習が残っています。
■小寒(しょうかん):1月5日頃
小寒は「寒の入り」と呼ばれ、寒さが厳しさを増す頃です。
小寒~大寒を「寒中」や「寒の内」と言い、寒中見舞いを出す習慣があります。
■大寒(だいかん):1月21日頃
大寒は、1年のうちで最も冷え込みや寒さが厳しいとされ、寒天・味噌・酒などの仕込みが最盛期を迎えます。
大寒を超えると、寒さがゆるまって春の近付きを感じられます。
※二十四節気と同じく「六曜」の意味がよく分からない方もいらっしゃるかと思います。六曜について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
二十四節気とは中国発祥の暦で、季節の変化を示す指標として日本でも浸透しています。
太陽の通り道(黄道)を24等分して約15日間の節気を設けているため、二十四節気と呼ばれるようです。
ただし、古代中国の気候は現在の日本と1~2ヶ月のズレがあるので、二十四節気と実際の季節感には差があります。
特に、春夏秋冬の始まりに当たる「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の頃は、実際の季節との間に大きなズレを感じるかもしれません。
なお、二十四節気は「立春」から始まり、以下の通り春夏秋冬ごとに6つの節気があります。
それぞれの節気に意味があり、現在も季節にちなんだ風習が残っています。
四季の移ろいを感じるために二十四節気を意識されてはいかがでしょうか。