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2020/6/9
カテゴリー:3分で読めるウィルス対策お役立ち情報
「首から吊り下げてるカードみたいな除菌グッズってどこで売ってるの?」
「良さそうなら買ってみたいけど、本当に効果はある?」
あなたは今、こんな疑問をお持ちではありませんか?
消毒用アルコールや除菌グッズが品薄になる中、新型コロナウィルスの除菌効果を匂わせる商品がいろいろ出回っていますよね。
私もコロナに対してかなり神経質になっているので、「怪しそうだな・・・」と思いながら首かけタイプの除菌グッズを購入しました。
でも、購入後にネットで情報を調べていると消費者庁による注意喚起を発見し、首かけの空間除菌グッズは買うべきではないと分かったんです(苦笑)。
そこで、あなたが私と同じような失敗をされないよう、この記事では首かけ除菌グッズの効果を検証し、買うべきでない理由を詳しく解説します。
また、どんな方法でウィルス対策をするべきかもご紹介していますので、感染予防のためにぜひお役立てください!
あなたが健康で安全な暮らしを送るために、この記事がお役に立てば幸いです。
楽天やAmazonを調べると分かりますが、現在販売されている首かけ除菌グッズのほとんどは二酸化塩素による除菌効果を謳っています。
つまり、「二酸化塩素を空気中に放出してウィルスを不活性化する」ということですね。
そこで、まずは二酸化塩素にどんな働きがあるのか調べてみました。
二酸化塩素の分子にはウィルスの除去や除菌だけでなく、消臭、カビの抑制と4つの効果があるそうです。
日本防菌防黴学会の発表によると、ウィルスや細菌が浮遊する6畳相当の空間に二酸化塩素ガスを放出し180分後のウィルス生存数を確認したところ、99%のウィルス・細菌を除去できたとのこと。
二酸化塩素は酸化作用を持つため、ウィルスや細菌の構造を変化させて機能を低下させることが分かっているようです。
参考サイト:二酸化塩素分子のチカラ | よくわかる二酸化塩素のはなし | 大幸薬品(参照 2020-06-08)
参考サイト:二酸化塩素とは? | 日本二酸化塩素工業会(参照 2020-06-08)
大阪大学は、2020年5月8日に要時生成型二酸化塩素水溶液(MA-T)が新型コロナウィルスを98%除菌できると発表しました。
MA-Tを使った1分間の接触実験で効果を確認し、今後の実験でさらに検証される予定だそうです。
出典:革新的酸化剤MA-T®が新型コロナウイルスを98%以上消毒することを実証
このような実験結果を受け、二酸化塩素は医療現場における2次感染の防止、マスクや防御服用の消毒液としての活用が期待されています。
なお、要時生成型二酸化塩素水溶液(MA-T)とは、反応する相手が存在し、水中で必要な時に必要な量の二酸化塩素の成分を生成できるシステムのことです。
MA-Tをスプレーなどで吹き付けて、1分以上作用した場合に効果が確認されています。
ここまでの情報を見ると、「あれ?二酸化塩素って除菌効果があるんじゃないの?」と思いますよね。
続いての項目で、消費者庁が注意喚起をしている理由、私が首かけ除菌グッズを買うべきではないと考える理由について説明します。
消費者庁は、2020年5月15日にTwitterで携帯型の空間除菌用品(首かけタイプの除菌グッズ)について注意喚起を行いました。
携帯型の空間除菌用品について、「身につけるだけで空間除菌」等の表示が行われていることがありますが、当該表示の根拠とされる資料は、狭い密閉空間での実験結果であることがほとんどです。
風通しのある場所等で使用する際には、表示どおりの効果が得られない可能性がありますのでご注意ください。 pic.twitter.com/0aRuCG2TZZ— 消費者庁 (@caa_shohishacho) May 15, 2020
また、携帯型の空間除菌用品の販売事業者5社に対する行政指導についてを見ると、「一般消費者が効果について誤認する」として除菌グッズの販売業者に対し行政指導を行ったと発表しています。
さらに、独立行政法人国民生活センターもこういった除菌グッズについて注意を呼びかけていることが分かりました。
消費者庁や国民生活センターが注意喚起や行政指導を行った理由は、次の3点です。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
二酸化塩素は、日本で消毒薬に分類されていない未認可物質です。
そのため、二酸化塩素配合の商品は医薬品や医薬部外品(医薬品と化粧品の中間的な商品)に該当せず、雑貨に分類されます。
雑貨が医薬品的な効果・効能を謳うことは薬事法で禁止されているため、除菌グッズに二酸化塩素による殺菌・消毒効果を表示した場合は不適切な表示広告とされるのです。
「ウィルスの感染予防に効果がある」と表示するには、厚生労働大臣による認可が必要ですが、医薬品として認可されている二酸化塩素製品はありません。
とすると、現在販売されている首かけタイプの除菌グッズは、本当にウィルスに対する効果があるのか怪しいと言わざるを得ないのです。
先ほどご紹介した消費者庁による行政指導の資料を見ると、二酸化塩素製品の除菌効果について明確な根拠がないことが指摘されています。
というのも、販売業者が主張する二酸化塩素の効果は密閉空間におけるデータに基づいており、風通しの良い場所で使用した場合の効果がハッキリしないからです。
「6畳の空間で99%のウィルスを除去する効果が確認された」という実験データはありますが、外出先でも首かけ除菌グッズが有効かどうかは分からないということでしょう。
※二酸化塩素の水溶液には新型コロナウィルスへの効果が確認されていますが、水溶液を使った除菌グッズは恐らくありません。
また、国民生活センターは除菌や消毒をうたった商品について正しく知っていますか?-新型コロナウイルスに関連して-の中で、「二酸化塩素の新型コロナウィルスに対する有効性は確認されていない」と注意を呼びかけています。
さらに、Q&A 二酸化塩素による除菌等をうたった製品の使用について|感染症|コラム|学校保健ポータルサイトによると、二酸化塩素の効果を謳っている商品の中に「二酸化塩素を放出しない」モノさえ確認されているようです。
国民生活センターは、首から下げるタイプの除菌用品の安全性-皮膚への刺激性を中心に-という資料の中で、二酸化塩素により化学やけどが起こる可能性を指摘しています。
内容を詳しく見ると、首からぶら下げる除菌グッズを使っていたところ「商品が触れた部分に赤みやあざが出た」という報告が寄せられたとのこと。
二酸化塩素による除菌効果を謳う6商品についてテストを行った結果、3商品に皮膚への「中等度の刺激性」が確認されたようです。
全ての商品ではないようですが、除菌グッズを首からぶら下げていると、肌トラブルが起こる恐れがあるのかもしれません。
このように、消費者庁や国民生活センターの注意喚起を分析すると、そもそも二酸化塩素が消毒薬として未認可の成分であり、広い空間での除菌効果についてハッキリした根拠がないことが分かりました。
また、化学やけどの恐れがあることも分かったので、私は「首かけタイプの除菌グッズを買うべきではない」と判断したのです。
それでは、最後に新型コロナウィルスの感染予防として、どんな方法で除菌するべきか説明します。
首かけ除菌グッズを使うタイミングって、外出する時ですよね。
でも、首かけ除菌グッズの効果が怪しいとなると、どんな対策をすれば良いのか悩んでしまいます。
そんな外出先での除菌にはウェットティッシュかハンドジェルが便利です。
トイレの後やお食事前など、手洗いできない時にサッと使えるので、カバンに入れておくと良いかもしれません。
どちらも携帯しやすいコンパクトタイプが販売されているので、チェックされてはいかがでしょうか?
新型コロナウィルスの感染予防策として、厚生労働省が石鹸での手洗いを推奨しています。
また、アルコール(70%)と次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)の除菌効果も認められているので、身の周りの消毒に有効です。
アルコール消毒液はモノを拭いて除菌できるだけでなく、手指の消毒にも使えます。
ただ、今のところ品薄になっていることが多いので、モノの消毒には次亜塩素酸ナトリウムの使用がおすすめです。
※正しい手洗いの方法や次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方・使い方は、以下のページでご紹介しています。
【家にあるモノで出来る】コロナ騒動で除菌グッズがない時の代用方法
繰り返しになりますが、厚生労働省は新型コロナウィルスの感染予防として、70%のアルコールでの消毒を推奨しています。
ただ、2020年4月17日に北里大学がプレスリリースで「アルコール濃度50%以上・接触時間1分間で新型コロナウィルスの不活性化に有効」という試験結果を発表したように、市販の除菌グッズの有用性も分かってきています。
もし消毒用アルコールが手に入らない時は、ネットで簡単に買える除菌グッズを使ってみてはいかがでしょう?
ウィルス対策グッズの特集ページでは、除菌アルコールウェットティッシュやアルコールハンドジェルなどのご注文が可能です。
首かけタイプのカード型空間除菌グッズの効果を調べてみると、ほとんどの商品が二酸化塩素の除菌効果を謳っていました。
二酸化塩素は密室での除菌効果が確認されており、水溶液は新型コロナウィルスの不活性化効果も確認されているようです。
ただ、消費者庁や国民生活センターは次の3点を理由として、空間除菌グッズについて注意喚起していることが分かりました。
そのため、私は首かけの空間除菌グッズは購入すべきでないと考えています。
ウィルスの感染予防には、アルコール、次亜塩素酸ナトリウムなど、除菌効果が確認された成分(商品)を使いましょう。